桜が、葉桜になりました。今年は、青空を背景に、満開の、桜の写真が撮れなかったな、と少し残念な気持ちでいます。写真を撮り忘れたわけではなく、私が外に出たときの天気が、ことごとく、よくなかったのです。そんなふうに、今年の桜にまつわるあれこれに想いを馳せていたら、桜の花の下で読書をするのが心地よさそうだと閃いてしまいました。来年、実現できたらいいです。我慢できなくて、今年のうちに葉桜の下で実行してしまうかもしれません。外で読書をするには最適な季節です。
そんなことを書きつつも、私は、今まで外で読書をしたことがありません。本に雨粒が落ちて、傷んでしまうのが怖かったからです。でも、雨が降りそうにもない日を選べば、なんとかなりそうな気がしています。石橋を叩いて壊すタイプの私ですが、大好きな読書に関係することは、フットワークを軽くしておきたいのです。
「YURUDOKUBLOG」を開設したときも同じでしたが、気になることは、一度、行動に移してみてもいい、と思っています。その結果で、どうしていくかを考えたほうが、答えがはっきりすることが多いからです。思っていたのと違ったときは、元に戻せばいいだけなのだし、もっと気軽に動いてもいいのかなと感じています。気になることを放置していると、その想いが渦を巻いて、手に負えなくなってしまうかもしれません。
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本に関しては、常に、丁寧に扱うようにしている私ですが、先日、残念なことがありました。とあるところで注文した新品の本が、とても傷んだ状態で届いたのです。もともと傷んでいたのか、配送の途中で傷んだのか、それはわかりませんが、書店で販売していたら交換になるかもしれない、それくらいの傷み方でした。私の本業は書店員なので、この感覚は合っているのではないかなと思っています。そんな本を眺めているだけで、心が痛んでしかたありませんでした。
やっぱり、私は、読書はもちろん、本が大好きなのです。そして、そういうものに出合えたうえに、ゆるゆると浸ることができている今の生活が、なにものにも代えがたい、貴重なものなのだという自覚があります。その自覚があることこそが、幸福なのでしょう。読書を通して本に触れ、自分の幸せを噛み締める日々です。
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「YURUDOKUBLOG」を開設して、ひと月が経とうとしています。そのあいだ、残念なこともあったけれど、嬉しかったこともありました。「YURUDOKUBLOG」を読んで、『透明な夜の香り』が気になっている、というメッセージをもらえたことです。私の自己満足でしかなかったものが、「YURUDOKUBLOG」を読んでくれている、誰かのためになった瞬間でした。とても嬉しかったです。メッセージ、ありがとうございました。